解約した場合仲介手数料ってどうなるの?

家を決めて、売買契約をしたものの、やっぱりやめたい。急な転勤で住む事ができなくなった等、契約後に解約をする事は考えられます。

解約とはどういう事か、どういう時に解約をするのか、家を購入した人が解約により仲介手数料等はどうなるか。

このブログテーマの仲介手数料無料の会社で契約した場合はどうなるかまで解説します

この記事では買主側から解約をする場合についての解説です。新築住宅の売買契約に限定して解説する事にします。法律論に触れる事になりますので一般的な解説であるとご理解ください。

目次

解約とは

賃貸借契約のような継続的な契約関係の場合に、その効力を最初から消滅させることは不可能なので、将来に向ってのみ効力を消滅させるときに用いられます。

新築一戸建てを購入した場合は、正確には解約と言う言葉ではなく、解除となります。

解除について

契約の「解除」とは、契約締結後、当事者の一方の意思表示によって、その効力が最初から存在しなかったのと同じ状態にすることをいう(民法第545条)。

この記事内では混乱を招く場合もあるので、解約を解除と読み替えます。

解除の種類

融資利用による解除

売買契約書締結の際には、買主が住宅ローンを利用する時は借入金額や年数を定めて、内容の記載をします。合わせて融資承認を得るまでの一定期間の合意をします。

この一定期間内に融資の承認を取得して、契約が進むと言う事です。

融資が承認されなければ、この売買契約の継続は不可能なので、解約となります。誰も責任をとる事もできないので、契約締結の際に交付した手付金も返還され、言い方は悪いですが、きれいさっぱり白紙になると言う考えです。

融資を受ける事が条件ですので、これが否認された訳ですから、仲介手数料も発生しません。

くれぐれも融資の審査申込に虚偽申請や申込をしないなど、不誠実な行為により、融資承認を得られない場合には適用されない事もありますので、ご注意ください(仲介手数料も発生します)。

手付解除

売買契約締結時には、基本的に買主は売主に対して手付金を交付します。これは売買代金に充当されます。一般的にはこの手付金は売買代金の5~10%です。

この手付解除ができる期間は、相手方が契約の履行着手までとされます。これは少々解釈が難しいので、本記事では引渡し日の前までとしておきます。

相手が契約の履行着手する前であれば、理由はどうあれ、手付金を放棄して、やめる事ができる訳です。

仲介手数料無料で契約を進めている場合、仲介会社は契約の完了(引渡し)で、売主よりもらう仲介手数料がもらえなくなります。買主の一方的な都合で契約がなくなるので、仲介手数料の支払いは発生する事になると思います。

手付とは
買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。(民法557条

修補の遅滞を含む契約違反による解除

契約違反とは何かと言う事になりますが、この記事では簡潔に述べます。売主は物件を引渡す事、買主はその対価としてのお金を払う事とします。

売主が物件を引渡さない、買主がお金を払わない事がこの場合は契約違反です。重い違反金が取り決められます。

新築一戸建てを売却する売主側が、契約違反をする事は考えられません。買主がお金を払わない事も同様に考えられません。こう言う解除の取り決めがあるんだ程度の認識でよろしいかと考えています。

私自身、この25年以上の業歴の中で契約違反による解除を目にしたのは2回だけです。それくらい珍しいケースです。

仲介手数料の扱いについてですが、この場合も契約は成立しています。したがって解除した側が仲介手数料を支払うことになります。但し、この場合は裁判等の紛争になる事も予想されます。理由は様々だと思いますが、それどころではないだろうと私は推測します。

その他

反社会的勢力の排除による解除や引渡し完了前の滅失等による解除も取り決めとしてはありますが、ここでは該当しないものとして割愛します。

解約した場合仲介手数料ってどうなるの?まとめ

家を買っても、自分の事情でやめる場合や、違反をした場合は仲介手数料を支払わなければならないケースが考えられます。

契約が成立して、契約書に則って進んでいる以上、解除を申し入れる(入れた)側がその責任を果たす必要があります。

仲介手数料無料でも、売主から仲介手数料をもらう訳なので、その仕組みが完全に崩れてしまいます。

契約時には仲介手数料無料になるものの、途中で契約をやめる場合には、仲介手数料を支払う事になる約束等の書面の取り交わしは行われると思います。

一度、契約をすると売買契約書に貼られた収入印紙、手付金、仲手数料の支払い等の諸費用の一部だけは支払い、何も残らないと言う悲しい結果になるだけです。

気持ち良く引渡しとなり、仲介手数料無料で家を買える事が何より大切です。

参考になれば幸いです。

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