住宅を購入する際には、必ずお金の問題に直面しますよね。
今回は「貯金はしていなかったけど、マイホームを検討し始めた」という方のために、頭金ゼロでも家を買うことは可能なのか、それとも頭金を多く用意する方が良いのかについて解説していきます。
また、頭金なしで家を買うことのメリットとデメリットについても説明していきます。
これから家を買うか迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
そもそも頭金って何?いくら用意するのが妥当?
頭金は、住宅の価格から住宅ローンの借入額を差し引いた金額を指します。つまり、ローンで支払う分ではなく、自己資金から支払う金額です。通常は貯蓄などから用意されます。
頭金は一般的には住宅価格の2〜3割程度と言われていることが多いため、住宅価格が4,000万円であれば、800万円〜1,200万円ということになります。
しかし、実際には希望の物件の諸費用込み価格から無理のない借入額を差し引いた金額が頭金となるため、まずは自身にとって返済負担のない借入額を考える必要があります。
借入額の目安としては、年収の5倍程度という考え方もありますが、現在の家計を基準に考えることも安心です。返済額は月々の返済額、金利、返済期間から算出することができます。
頭金なしで家を買うことは可能?
最近では、多くの金融機関の住宅ローンで、物件価格の100%まで借り入れることが可能になってきました。そのため、頭金を用意しなくても住宅を購入することができることから実際に頭金ゼロで購入する人も増えています。
例えば、2018年の首都圏新築マンション契約者動向調査(リクルート住まいカンパニー調べ)によれば、自己資金ゼロで契約した人は全体の12.7%を占めているそうです。
ただし、頭金以外にも初期費用として物件購入に伴う手数料や税金などの諸費用がかかりますので注意が必要です。
【注意!】頭金以外にかかる費用がある
「4,000万円の住宅は4,000万円で購入できる」と思っている方も多いですが、実はこれには大きな落とし穴があります。
住宅本体の金額以外に、下記のような費用が必要になります。
・諸経費
仲介手数料、住宅ローンの保証料、不動産登記費用、火災保険料などの「諸経費」と呼ばれる費用が必要になります。
諸経費の金額はどのくらいかというと、新築の場合は物件価格の約3%、中古の場合は約6%が最低限必要です。つまり、4,000万円の家を購入する場合、諸経費としては120万円から240万円程度が目安となります。
・引っ越し代や家電購入費
マイホームを購入した場合、引っ越し代や部屋にあった家具を購入するための費用も必要になりますね。さらに、新しい家電を購入する場合も予算を考慮する必要があります。
これらの費用は家具代や家電代などによって異なりますが、一般的な目安としては物件価格の2〜3%程度とされていることが多く、したがって、4,000万円のお家の場合、約80万円程度が予算の目安となります。
頭金なしで家を買うことのメリット
・手元に資金を残せる
このメリットの最大のポイントは、頭金相当額の大きな資金を使用しないため、住宅費用以外の出費に充てることができることです。
新しい住居を購入する際、家具や家電を新しく揃えたいと考える方も多いでしょう。しかし、大きな頭金を支払ってしまうと、その分他の出費に充てることができる資金が不足する可能性があります。
一方で、頭金を必要としない住宅ローンを利用する場合、手元に残る資金を他の出費に充てることができます。これによって、より柔軟に予算を使いたい目的に資金を割り当てることができます。
・住宅ローンの控除が大きい
頭金なしの住宅ローンでは借入金額が大きいため、住宅ローン控除の恩恵をより受けることができます。
住宅ローン控除では、年末時点の住宅ローン残高の1%を最大10年間にわたって控除することができます。さらに、2022年度(令和4年度)からは、年末時点の残高の0.7%を13年間にわたって控除する制度が導入されました。頭金を支払わずに住宅ローンを組む場合、借入金額が大きくなりますので、年末時点でのローン残高も頭金ありの場合と比べて多くなります。
そのため、頭金なしの住宅ローンでは、住宅ローン控除の効果がより大きくなるのです。
頭金なしで家を買うことのデメリット
・売却価格が住宅ローンの残債を下回ることがある
頭金を入れずにローンを組み、返済ができなくなった場合、家を売却することになりますが、売却金額だけではローンの返済ができない場合があります。
このような状況では、自身で残りの返済額を支払う必要が生じます。頭金を入れていない場合、借入総額が大きくなりますので、このようなリスクがより顕著に現れるのです。急病やリストラなどでローンの支払いが困難になる可能性を考慮し、返済能力を適切に評価して借入額を決定することが重要です。
・総返済額が高額になる
頭金なしのフルローン契約では、借入金額に対して金利が発生するため、返済額が高くなったり返済期間が長くなる可能性があります。
繰り上げ返済を検討することも一つの方法ですが、金融機関によって手数料がかかる場合があるため注意が必要です。
まとめ
頭金なしで家を買うことは可能ですが、メリットとデメリットが存在します。
私は中古住宅を購入して、リフォームをして住んでおります。物件価格の約95%を住宅ローンにしました。リフォーム代と諸費用は貯蓄より捻出しました。子供たちの学費等も手元に残しておきたかった事もありますが、金利の低い時期に購入しましたので、あまり無理はない返済ができています。
ここで伝えたい事は、絶対に無理をする事がない様にしてもらいたい事。給与が上がるから大丈夫だろうと言う考えは捨てて、現在より収入が減っても問題ない形で考えて貰いたいです。
繰り上げ返済も昔に比べて容易にできますので、余裕があったら検討する事も重要です。